戦争保険と資源輸入 貿易への影響

保険の中で、戦争保険というものがあるので紹介。日本は、貿易立国ですし、資源輸入は死活問題です。近隣国で戦争が発生すると、保険料も高騰することから、物流面・海運への影響が大きくなります。

保険の免責事項

三井住友海上保険
戦争危険は通常の海上危険に比べるとその危険の発生頻度、損害の程度などが大きく異なり、またその予測が非常に困難な危険です。このため普通期間保険では、戦争、変乱、だ捕、抑留、暴動、ストライキなどによる損害については一切保険金をお支払いできません。戦争保険は、これら戦争などの危険による損害のみを改めて別の契約としてお引受けする保険です。
普通の保険では、カバーされない部分。
免責事項が存在します。

代表例は、戦争や騒乱などです。その一覧が紹介されています。

免責事項一覧

以下の危険により船舶に損害が生じた場合。
1. 戦争、内乱その他の変乱
2. 水雷、爆弾その他爆発物として使用される兵器の爆発またはこれらの物との接触。ただし核兵器を除く。
3. 公権力によると否とを問わず、だ捕、捕獲、抑留、押収または没収
4. 海賊行為または強盗
5. ストライキ、ロックアウト、その他の争議行為または争議行為参加者のそれに付随する行為
6. テロリストその他政治的動機または害意をもって行動する者の行為
7. 暴動、政治的または社会的騒擾その他類似の事態
免責事項一覧については、上記ご参照。
かなり、特殊な事例が並んでいますが、ソマリア海域など危険地帯では、十分発生しそうなものが並んでいます。

戦争保険については、下記ご参照。
ただ、戦争保険でさえ免責事項がありますね。

戦争保険と免責事項

一般的な保険では戦争による損害は免責事項になっており、通常の保険証券とは別の証券で引受けられる。 戦争保険でも国際条約で禁止されている生物兵器や化学兵器による損害や核兵器による損害は免責事項とされている。
一般の保険で免責事項になっている事項であっても、受けられるとなっています。
ただ、国際条約で禁止されている兵器は対象外のようですね。

戦争保険ですが、その地域で紛争勃発・紛争リスクが高まると当然の事ながら保険料が暴騰します。下記、イラク戦争の事例です。

イラク戦争の事例 戦争保険暴騰

戦争で保険料率急騰――船舶戦争保険は10倍に[提供:保険銀行日報社]
日時 2003 年 3 月 29 日 10:30:29:ZR5JcjFY1l.PQ
イラク戦争が始まって、船舶や貨物など戦争保険料率が急騰している。損保関係者によると、イラク周辺のイラン、サウジアラビアなどの船舶保険、貨物保険、航空保険、海外旅行傷害保険の戦争リスク担保料率が3月20日以降、一気に上昇したという。
船舶戦争保険では、イラン70%、サウジ3倍、クウェートは10倍まで急騰した、とロンドンの戦争リスク保険料率機構が伝えている。
これを受け、わが国の損保各社でも料率引き上げを海運会社に通知し、海運会社は荷主に転嫁する動きが出てきた。クウェート港では、船舶1隻当たり2000万~3000万円相当の負担増から入港を断念し、他港に迂回するケースも出ているという。


クウェートは、イラクの隣国。港も、イラクに近いところにありますので、文字通り、保険料が暴騰しています。湾岸戦争で侵略された過去もありますしね。

実際、この影響でクウェート港に入港予定の船舶が、保険料を嫌がって、回避行動をとっています。意外と見過ごされがちですが、戦争による経済への影響は物流面で顕著になると言えるかもしれませんね。

海運会社と船舶金融 災害の影響 2012年9月24日

船舶建造は、資金調達の際に長期の借入になります。詳細は上記ご参照。

長期で使用する前提の物が、使い物にならなくなると逸失利益は大きくなりますので、戦争が隣国で発生すると、近付かないという判断も妥当な判断ではないでしょうか。

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