シャープLIXILに出資要請

シャープがLIXILなどに出資要請を行っているようですが、初期の検討段階のようですね。シャープは、年金債務引当により債務超過の危険性が高まりますので、増資が成功するのかどうかが経営課題になりますね。

(1)シャープ増資の理由

シャープが増資を模索していた理由は、会計基準が国際会計基準に変更することに伴って、年金債務の一括計上が必要になるからです。

シャープは、パナソニックと比較すると年金債務引当が不足しており、増資することなしに一括計上することになれば、過少資本に拍車がかかることになります。

(2)LIXILグループなどに出資要請

シャープLIXILに出資要請について、2013年7月19日ロイターが、シャープ、LIXILなどへの第三者割当増資を検討=関係筋を報じているので見てみましょう。
経営再建中のシャープが、LIXILグループなど複数社に出資を要請する方向で検討に入ったことが19日、分かった。関係筋によると、今年9月末までにも第三者割当増資を実施して財務体質の改善につなげたい考え。
シャープはLIXILグループなどに出資要請を行っていますが、第三者割当増資を実施しますので、株式の希薄化と増資価格に注目ですね。

シャープが出資要請を行うことを検討している企業は、複数が報じられていますが、合弁会社設立などの協力関係にある企業に出資要請を行う可能性があるようですね。

(3)LIXILと住宅用建材の共同開発

シャープは住宅設備大手のLIXILと2011年8月に合弁会社を設立。関係筋によると、住宅用建材の共同開発に取り組んでいるが、出資に結びつける意向だ。
シャープは、LIXILと合弁会社を設立していますが、LIXILは住宅関連企業の買収によって企業成長をしています。
  1. INAX
  2. トステム
  3. 新日軽
  4. 東洋エクステリア
  5. サンウエーブ工業
LIXILの主要会社は上記ですが、グループの売上高が1兆円を超えており、シャープが業務提携関係を深めることができれば、業績回復に大きな影響を見込むことができそうですね。

(4)マキタも出資候補として想定

また、シャープは今年5月に電動工具メーカーのマキタと業務提携しており、同じく出資引き受けの候補として想定している。
シャープはマキタも出資候補として想定しているようですが、業務提携関係にある企業に広く出資を要請して、多額の資金を集めることが目的のようですね。

シャープにLIXILやマキタが出資を行う場合、業務提携による効果がどの程度見込めるのか、出資に応じた企業は株主に対する責任が問われますね

(5)自己資本比率の低下で第三者割当増資の要請

第三者割当増資の規模はそれぞれ100億円程度を想定。今年3月末で自己資本比率が6%まで低下したシャープは、この他の企業にも出資を募る意向で、上期業績や株価動向をみながら公募増資も検討している。
シャープ資本 増資の真相は年金債務であることをまとめましたが、シャープは自己資本比率が大きく低下しており、年金債務計上により過少資本になる可能性があります。

シャープの業績は、アベノミクスによる為替レート円安ドル高により回復傾向にありますが、年金債務の一括計上と業績悪化が重なると、債務超過になる可能性も否定できません。

(6)出資は不明

ただ、いずれも検討は初期の段階で、実施に向けては不透明な面があるという。
シャープが出資要請を行っている報道がありますが、現状では出資は決まっていないようですね。シャープは、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行出身者を役員として受け入れていますが、増資による資本増強に成功するのかが経営課題になりそうですね。

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